自社のこと知ってる?~SWOT分析で自社を知ろう~

皆さんは、SWOT分析をご存じでしょうか。

新規に事業起こす際や、新商品を開発する際に、自社がどんな企業であるか、自社を取り巻く環境はどんな環境なのかを認識しなければ事業は上手く成り立ちません。どんな業種であっても、これらを把握しておくことが必要です。

SWOT分析は、自社の環境を効率的に分析することのできるフレームワークです。

今回のコラムではSWOT分析の書き方やポイントなどを解説していきます。

分析をする前に

何気なく分析を始めようとしている方はいないでしょうか。始める前に、これから分析するにあたって重要なポイントが2つあります。

①目的・目標を決める

 分析するにあたり、「なぜ分析をするのか」「目指すべき目標はどこか」をはっきりさせましょう。自社の課題や問題を明確にし、戦略に落とし込めるための分析のため、目的や目標が曖昧なままでは意味がありません。マーケティングプランの策定や組織目標の設定など、きちんと目的や目標をはっきりさせ、チーム間で共有を行いましょう。

②対象を定める

 SWOT分析の対象は、主に以下の3通りです。

・自社(他社)の全体

・自社(他社)の複数事業

・自社(他社)の一事業

経営全体や事業全体だけでなく、様々な項目やテーマごとに行うとさらに分析が深まります。なんとなく全体を見るのではなく、対象を絞って際度なく抽出、分析を行いましょう。

SWOT分析を書いてみる

SWOT分析は、”スウォット分析”と読み、自社の事業を4つの要素に分け、内部的、外部的目線から分析をする方法です。SWOT分析をすることで自社の経営戦略が明確になり、説得性のある事業企画書を作成することができます。

SWOT分析のチェックポイント

SWOT分析は、内部環境と外部環境の横軸、目標達成に対してプラスかマイナスかの縦軸をもとに、「強み」「弱み」「機会」「脅威」の4つの要素から成り立っています。それぞれの要素には何を記入するのか解説していきます。

S 強み

自社の持つ強みや長所、得意なことなど、内部に持つ自社の強みのことです。

具体的には、

  • 駅から近く、立地が良い
  • 高いブランド力
  • 接客の質が良い
  • 長年受け継いできた伝統の味と品質 

などが挙げられます。

「自社には強みがない」と思っていたとしても、どの企業にも自社にしかないような強みがあるはずです。特に、何年も経営事業が続いているならば続いている理由が必ずあります。お客様や取引先にヒアリングしてみたり、従業員に聞いてみたりして強みを把握しましょう。

また、競合他社と比較する方法もあります。なぜ顧客は競合他社ではなく自社を選んでいるのか、他社と自社で何が違うのかを研究することで強みが見えてくるはずです。積極的に行ってみましょう。

W 弱み

自社の持つ弱みや短所、苦手なことなど内部に持つ弱い点のことです。

具体的には、

  • 立地が悪い
  • 価格が高い
  • 料理の提供に時間がかかる
  • クレームの多い項目

などが挙げられます。

弱みは強みの裏返しです。強みと同じように顧客の立場や、従業員の立場に立って考えてみましょう。

弱みの抽出に時間をかけると、なぜ改善できないのかというできない理由の深堀になってしまうため、弱みにはあまり時間をかけずに記入をしましょう。

O 機会

社会や市場の変化など、外部的な要因によりプラスに働くことです。

具体的には、

  • 競合店舗が少ない
  • テイクアウト需要が増えている
  • 高齢者の増加

などが挙げられます。

機会を深く分析することで、SWOT分析の精度が高まるとされており、4つの要素の中で1番核心的な要素だと考えられています。じっくり時間をかけて分析をしましょう。

ここまでで重要なことは、「機会」と「強み」を混同させないことです。

機会と強みは混同させてしまいがちですが、機会が外部環境によるものであり、自社がコントロールできるものではありません。市場の状況と自社の状況を区別し、戦略に落とし込めるようにしましょう。

T 脅威

社会や市場の変化などで、外部的な要因によりマイナスに働くことです。

具体的には

  • 外食需要の減少
  • 少子高齢化
  • 夜間需要の低下

などが挙げられます。

機会と脅威は、見方や業種によってプラスやマイナスにも働きます。今はマイナス要因であっても、新事業を行う際にはプラス要因になることもあります。マイナスに働くからと諦めず、その要因をプラスに変えられる事業を始められるよう広い視野をもって経営を行う必要があります。

また、機会と脅威は、大きな視点であるマクロ環境と小さな視点であるミクロ環境に分ける事ができます。

マクロ環境は、「政治」「経済」「社会」「技術」の4つの視点から考えることができ、法律の改正や景気動向、人口動態、新技術の登場などから考えましょう。

ミクロ環境は、自社に関わりの深い外部環境として、市場規模や成長率、競合の動向などの視点から考えましょう。

クロスSWOT分析をしよう

SWOT分析を行ったことで、企業内外の状況が良く見えるようになりました。こうすることで、自社を客観的に見ることができます。

それぞれの要素が見えたところで、【クロスSWOT分析】(以下「クロス分析」)を行います。

クロス分析とは

クロス分析は、SWOT分析で出した内部環境と外部環境を掛け合わせて戦略の方向性を定める方法です。

  • 【積極戦略】強み×機会   自社の「強み」を活かして、「機会」に対してどんな戦略を取れば良いのか
  • 【差別化戦略】強み×脅威  「強み」を使ってどう「脅威」を切り抜けるか
  • 【改善戦略】弱み×機会   「機会」を生かすために「弱み」の補強、改善方法
  • 【防衛・撤退】弱み×脅威  「脅威」の被害を最小限に抑える防衛方法。事業撤退も視野に入れる

4つの中で最も優先的に検討するものは、【積極戦略】です。特に小規模企業にとって、全方位の戦略をとることは難しいです。そのため、今自社が持っている強みを、どうビジネスチャンスにするかが肝になってきます。他の戦略を考える方法もありますが、まずは【積極戦略】を考えてみてはいかがでしょうか。

まとめ

①新規事業を行う際、SWOT分析を行ってみる

②分析を始める前は目的や対象を定めておく

③SWOT分析だけでなく、クロス分析も行い戦略に落とし込めるようにする

SWOT分析は、万能な分析法ではありません。しかし、社外や社内の環境を客観的に把握することで新たなビジネスチャンスが見つかるかもしれません。

新規事業の立ち上げの際には、ぜひ活用してみてください!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です