下請けからの脱却!!自社商品を作るにはどうしたらいい?

中小企業の製造業の皆さん、新型コロナウイルスの影響で大手企業からの受注が減少してきてはいませんか?下請け業者という仕事は人々が生活するうえでとても重要な役割を担っています。しかし、下請けというのは大手企業からの受注量により収入が変動してしまいます。今回のコロナウイルスのような予測不可能な事態に見舞われた際、受注が止まってしまえば収入が無くなってしまう可能性もあります。そんな状態を避けるためにも、自社商品の販売を始めてみませんか?

今回のコラムでは、これまで下請け業者として培ってきたノウハウを生かし、下請けを脱却、自社商品の作り方について紹介したいと思います。

自社商品を作るメリット

自社商品を作るメリットととして、3つ挙げられます。

①安定した収入の柱を立てられる

冒頭にもお話ししたように、下請け業者は製品を受注してくれる大手企業の存在がなくてはなりません。しかし、その大手企業が経営不振に陥ってしまったり生産数を減らしてしまったりすると、下請け業者である自社の収入も減少してしまいます。こんな不安定な収入の柱ではいつ倒れてしまってもおかしくありません。

完全に大手企業に頼るのではなく、ある程度自社商品で収入を得ていれば、企業からの受注量が減少してしまっても存続していけるため、安定した収入の柱が一本立つメリットがあります。

②他の企業とのつながりができる

自社が企画、販売することで自社起点で物事が進みます。今までは下請け業者としての立ち位置でしかなかった企業も、新たな関係性や今まで関わりのなかった企業との繋がりができます。

BtoB企業の大切なことは企業とのつながりです。顧客が企業であるため、様々な企業との繋がりができればまた新たなビジネスチャンスが生まれるかもしれません。

③社員のやる気が変わる

下請け業者というの社会でとても重要な役割を担っていることは冒頭でもお話ししました。しかし、社員のやる気はどうでしょうか。

人間は目に見えた成果物に達成感を覚えます。目の前で車が完成するのと、車の部品の一部を作り、回りまわって車になるのでは達成感が異なり、それが仕事へのやる気や熱意に繋がります。

自社製品を自社で製作することで「作業」と化していた仕事が、より「作っている」感が増し、目の前の成果物に対して「達成感」を感じます。また、「自分が作ったものがそのまま世に出る」という仕事への責任感にもつながり、やる気を持って仕事に取り組むことができるのではないでしょうか。

自社商品を作ろう!

下請け100%から自社商品を作るなんて、日曜劇場みたいだね!!

下請け業者が自社商品を作るのはドラマの中の話ではありません。むしろ今まで下請けとして技術を積んできたからこそできることも多くあります。

では、どのように商品を作ればよいのでしょうか。商品を販売するまでの流れをご紹介します。

  • ビジネスモデルを作ろう
  • 自社の強みを知ろう
  • 作りたい商品を考えよう
  • 試作品を作ろう
  • 資金を調達しよう
  • テスト販売をしてみよう
  • 販路を探そう
  • 販売しよう

①ビジネスモデルを作ろう

まず取り掛かることは、ビジネスモデルの作成です。”ビジネスモデル”とはビジネスにおいて価値や利益をを創造する仕組みのことです。どんな商品を作り、どんな価値をつけ、誰に協力してもらうかなど商品を作るうえで大まかな大枠を作ります。

ビジネスモデルは「ビジネスモデルキャンバス」というフレームワークがあります。ビジネスモデルを作る際にはこのビジネスモデルキャンバスを使用することで簡単に分かりやすくできるのでお勧めです。

☟ビジネスモデルキャンバスについての詳しい内容はこちらのコラムを参照してください☟

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この段階のビジネスモデルは簡単なもので問題ありません。物事を進めるうちにその都度書き加えることで大事なものは見失っていないか、何を考える必要があるかが分かります。書き入れる付箋の色を変えるなどして決定事項と予定事項が分かるように工夫してみましょう。

②自社の強みを知ろう

皆さん、自社の強みをご存じですか?意外と自社のことを知らない方が多いんです。

どんなことができて、何が得意で、逆に何が不得意でどんな弱点があるのか。新規事業を行う上ではこれらを見直し、プランを考える必要があります。研磨が得意な企業ならその技術を生かした製品を作ることで、より”自社が作る意味”を見出せます。

自社の強みを知るには「SWOT分析」がお勧めです。内部環境、外部環境から自社の強みと弱みがあぶり出されます。客観的に自社を見つめ直すことができるため、ぜひSWOT分析で自社を改めて見つめてみましょう。

☟SWOT分析についての詳しい内容はこちらのコラムを参照してください☟

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③作りたい商品を考えよう

自社の取り巻く環境が分かったところで、どんな商品を作るかを考えましょう。

あったらいいなと思う商品や、日常生活の不満から派生させて新しい商品を考えてみましょう。

既存している商品を作る場合は、市場を分析し他社との差別化を図ることが重要です。ここで自社の強みが生きてきます。他社の商品との違いはなにか、自社商品を選んでもらうにはどうするかを明確にさせましょう。

商品開発には「STP分析」が使用できます。誰をターゲットにし、市場のどのポジションを狙うのかを決めることで一気に実現に近づきます。

☟STP分析についての詳しい内容はこちらのコラムを参照してください☟

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④試作品を作ろう

考えた商品を、実際に作ってみましょう。ここで重要なのは時間と予算の兼ね合いです。

どんなにいい商品を作ったとしても、ひとつ作るのに時間とお金がかかっていてはビジネスにはなりません。今まで行っていた通常業務とのバランスも考え、全体の業務の何パーセントを自社商品の製造に充てるのか、予算はいくらでどれだけの売り上げを出すのかをビジネスモデルを改めて見直しながら試作品を作っていきましょう。

⑤資金を調達しよう

商品を作るには資金が必要です。資金調達には銀行からの融資だけではなく、いくつかの方法があります。

  • クラウドファンディング

クラウドファンディングとは、資金を調達したい人が自身のプロジェクトを提示し、賛同者から資金の支援をお願いする資金調達法です。商品そのものだけの評価ではなく、プロジェクトの背景やストーリーに共感して支援をしてくれる人も多くいます。いつまでいくらと設定ができ、支援してくれた人はその後の製品になった商品を購入してくれる可能性も高いため、活用してみましょう。

  • 補助金

「世の中を良くしよう」という思いを支援してくれる制度の一つとして、補助金の支給があります。世の中には多くの補助金制度が存在しており、自分のビジネスに合った制度の補助金を申請することで申請が通りやすいため、吟味して申請を行いましょう。

弊社のコラムでは【ものづくり補助金】について紹介をしていますが、IT補助金など他の補助金についてのお問い合わせも受け付けています。気になる方は是非一度無料面談をご活用ください!

☟ものづくり補助金についての詳しい内容はこちらのコラムを参照してください☟

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  • ビジコン

ビジネスプランコンテストに参加するのも、資金調達の策です。ビジネスプランコンテスト(通称ビジコン)に参加することで上位に入賞すれば資金の支援がある可能性が高いです。また、もし入賞できなかったとしても企業の認知度が上がり、個人的に支援してくれる人や新たな人脈が生まれることもあるため、入賞できなかったとしても参加するだけでもメリットはあります。

☟ビジネスプランコンテストについての詳しい内容はこちらのコラムを参照してください☟

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⑥テスト販売をしてみよう

試作品ができ、資金の調達もできたらいよいよ販売です。しかし、いきなり市場に導入するのではなくまずはテスト販売として場所や期間、顧客を絞って販売します。

実際に商品を使用してもらってなにか不具合はないか、改善点はないかと生の声を聞き、”販売”ではなく”試用品”として配ることもあります。

⑦販路を探そう

販路とは「販売ルート」のことで、販売チャネルとも呼ばれます。つまり商品を販売するにあたっての流通経路を確保します。

今まで下請け事業を行っているため、自社が直接、製品を販売をしていたわけではありません。そのため販路を持ち合わせていないのが現状です。

どのルートを使ってどのように販売するのか。直接小売店にだすのか商社を挟むのか、店舗販売なのかオンライン販売なのかなど、販売方法によって売れ行きも変化するため十分に模索して決めましょう。

⑧販売しよう

ようやく、実際に販売をします。

販売をしたからといって終わりではありません。むしろここからが始まりです。商品をどう認知してもらうか、多くの人に購入してもらうにはどうするべきか、初めに書いたビジネスモデルキャンバスに沿って順次更新していきながら事業を進めていきます。

こうして下請け100%からの脱却物語は幕を閉じ、新章へ突入していきます。

まとめ

いかがだったでしょうか?

今回は簡単に商品の販売フローを説明しました。それぞれの項目についての詳しい内容は添付しているコラムを参照してください。

弊社は製造業向けのコンサルティング会社です。自社商品の立ち上げ方について、なにかお困りごとや分からないことは気軽にご相談してください。

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