営業マンの”提案力”~FABを学んで提案力を向上させよう~

ビジネスにおいて、最も重要なことは自社の商品やサービスを顧客に購入してもらうことです。自社の商材を誰かが購入してくれることで、利益が生まれ、ビジネスとして成立します。

では、どのようにして顧客に商材を購入してもらうのでしょうか。効果的な広告を打ち出し、購買意欲を高めたり、店頭の商品を、思わず手に取ってしまう位置に配置したり。特にBtoCと呼ばれる、一般の消費者に向けた商品であればこのような方法も効果的です。

一方、BtoBと呼ばれる企業に対して商材を販売する場合はどうでしょうか。実店舗もなければ、広告を打ち出すこともありません。BtoB企業の主な販売方法は「営業」です。実際に企業の担当者の元に営業マンが出向き、自社の商材をPRし、購入してもらいます。

これはBtoC企業でも同じようなことが行われているはずです。服を買いに店頭へ行くと、販売員から声をかけられ、思わず購入してしまったなんて経験はありませんか。これも「営業」です。

このように、「思わず買ってしまった」には営業マンの提案力が隠されています。

今回のコラムでは、この「提案力」を高めるためのFABについてご紹介します。

FABを学び、顧客へ効果的な提案をできるようになりましょう!

FABを学ぼう

「提案スキルの基本FAB」はFeature :特徴 Advantage :利点 Benefit :利益の頭文字を取ったものです。

顧客に商品を勧める際、このFABの要素を活用して伝えることで購買意欲が高まる効果があります。

簡単にFABを活用した例文を見てみましょう。

このカメラには手ブレ防止機能を搭載しています。今お使いのカメラと比べて、これだけのスピードのものでもブレずに撮ることが出来ます。つまり、どんなシャッターチャンスも逃すことなく、無駄な写真を消す手間も省けます。

F 特徴:手ブレ防止機能搭載

A 利点:今のカメラよりも写真がブレない

B 利益:シャッターチャンスを逃さず、写真を消す手間が省ける

このように伝えると、これがどんな商品でどんな特徴があり、どんな利点、利益があるのかがよく伝わります。

では、それぞれの要素をもっと深堀して考えてみましょう。

Feature (フィーチャー):特徴

Featureは、商品やサービスそのものの説明です。商品カタログに載っているような、売り手目線で顧客に伝えたい商品の基本的な情報や、「お客様に紹介したいポイント」のことです。

具体的には、

  • 何のための商品か
  • なにができるのか
  • 使用方法
  • 価格
  • 特徴
  • 販売先/問い合わせ先

などが挙げられます。

活用方法

Featureをビジネスで活用するには、まず売り手が商品を良く知ることです。

多くの資料やカタログを見ている買い手が、いかに自社商品に興味を持ってもらえるかは、商談の導入時点で決まります。そのため、売り手は自社商品を良く知り、どんな商品なのか、その商品で何ができ、どんな特徴があるのかを伝えられるようにしましょう。カタログに載っている情報の中でいかに自社商品を売り込めるかが鍵です。

Advantage(アドバンテージ):利点

Featureでは、その商品そのものの特徴をご紹介しました。Advantageでは、カタログには載っていない、自社商品を購入する利点を紹介します。

具体的には、今買い手が持っている商品を自社商品に乗り換えるとどんな利点があるのか、他社商品よりも自社商品を購入するメリットなどです。「この商品を買うとこんなにいいことがある!」という買い手目線の利点を紹介することです。

活用方法

Advantageは基本的にカタログには載っていません。他社と比較するような比較広告は業界慣例として規制されており、「A社より自社の商品の方がいいですよ」なんて広告はできないからです。

よって、売り手は徹底的に他社との差別ポイントを把握している必要があります。Featureのみを話すよりも、その特徴を踏まえて他社にはない自社独自の利点を話せることで、説得力が高まります。

Benefit(ベネフィット):利益

Featureは商品そのものの特徴、Advantageは他の商品と比べた自社商品購入の利点を紹介しました。では、最後のBenefitとはなんでしょうか。

Benefitは顧客視点で商品を購入した際に自分にどんないいことがあるか、という得られる利益のことです。

具体的には、コストが抑えられたり、早く仕事が終わるなど商品の利点から得られる利益を紹介することでより一層説得力が高まり、買い手に「欲しい」と思ってもらえます。

活用方法

Benefitで重要なのは”共感すること”です。

買い手に紹介する際は、Benefitから導入する方法もあります。

「お困りごとないですか」「作業効率を良くしませんか」など、顧客の困っていること聞き出し、その悩みを解決するという形で自社商品を提案します。買い手の悩みを共感すると「こんなの欲しかった!」と感じることが出来るため、効果的な手法です。

最後に

Feature (フィーチャー):特徴最大8人が乗れる大型車
Advantage(アドバンテージ):利点車内空間が広い
Benefit(ベネフィット):利益大勢で快適に出かけられる

この3つの要素を生かして提案、商談を行うことで買い手の購買意欲が高まる傾向にあります。

最後に、このFABを生かした提案力を発揮している企業をご紹介します。

皆さんは「ジャパネットたかた」のテレビショッピングをご覧になったことはありますか?ジャパネットたかたはFABを駆使して顧客に商品の魅力を伝えています。

ジャパネットたかたのテレビショッピングを思い出してみてください。

家の中はよく掃除しても、家の外の掃除があまり捗らないなんてことありません?(悩みの提示)

高圧洗浄機があれば、外掃除も楽々できてしまいます。(利益)

この高圧洗浄機は、通常の水道圧力の40倍の水圧で汚れを落とします。(特徴)

累計販売159万台突破しました。(利点)

この高圧洗浄機を使って家事も楽々、時間に余裕ができますね。(利益)

テレビショッピングという公の場であるため、他社との比較は行われていませんが、他社よりも優れていると思わせることに成功しています。このようにFABを学び、実践することで営業マンとしての提案力を高めましょう!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です