求人票見直し重要ポイント3選
近年、製造業の人手不足が深刻化し、2017年に経済産業省が実施したアンケートでは94%の企業が人材確保に課題、その中でも特に職人と呼ばれる技能人材が不足しています。実際、製造業の経営コンサルとして活動している弊社のクライアントの方々からも「職人が足りない」という声を多く聞きます。
どうすれば人材確保ができるのか、今回は求人票に焦点を当ててご紹介したいと思います。
第1部第1章第2節 人手不足が進む中での生産性向上の実現に向け、「現場力」を再構築する「経営力」の重要性:2018年版ものづくり白書(METI/経済産業省)
重要ポイント1:職種名
プレス加工の職人を採用したいと考えた際に求人票に「プレス加工職人 募集中」と記載していないでしょうか。そもそも”職人”の定義が定まっておらず、応募を躊躇する可能性があるため、”職人”という言葉を使用することは避けましょう。また、「プレス加工」と記載されていても初めからプレス加工スタッフ志望で求人を探している人は少ないです。「工場内作業スタッフ」と記載し、より多くの人の目に留まることが重要です。
また、求人票に経験者、未経験者の給与を2段階に設定することも重要なポイントです。
例えば、給与25万円~と記載があった場合、経験者は35万円で雇うつもりでも記載がなければ相手に伝わらず、相場から外れた給与だと思われ応募は見込めません。経験者、未経験者で別の間口を設定し、応募しやすい求人票を作りましょう。
重要ポイント2:アピールポイント
この世の中、製造業の求人は多くあります。その中でも自社の求人に応募してもらうためにアピールポイントが重要になってきます。
自社アピールをする際、会社自体の魅力も大切ですが、応募段階では重要視されません。それよりも、現実に属したポイントをお伝えするほうが効果的です。また、”やりたくないこと”を配慮することも重要です。おそらく製造業の工場スタッフに応募する人材は、毎日外回りをする営業マンのような仕事は”したくないこと”にあたるのではないでしょうか。そんな方々に”毎日違う仕事でやりがいを”とお伝えしても応募は来ません。「技術で評価」「営業活動一切ナシ」のような、現実に属し、”やりたくないこと”を配慮するPR方法を行いましょう。
重要ポイント3:求める人材
製造業の職人を募集する際、ターゲットを製造業経験者のみに焦点を当てて求人を出しては多くの応募は来ません。過去に飲食店の調理スタッフや板金加工など、業界や職種は違ってもどちらも細かい作業の多い職人であり、製造業に通ずる経歴を持っています。固定観念にとらわれることなく、広い視野を持つことが大切なポイントです。
まとめ
①”職人”という曖昧なワードや具体的すぎる仕事内容は書かない
②現実に属し、”やりたくないこと”を配慮したアピール方法
③ターゲットを絞りすぎず、広い視野を持つ
即戦力も大事ですが、即戦力を育てることも大切です。
ぜひこの機会に御社の求人票を見直してみてください。