商品発案に使える!アイデア発想フレームワーク3選!
ビジネスをするうえで、新しい発想やアイデアは欠かせません。しかし、アイデアはそう簡単に出てくるものではなく、苦労した経験がある方も多いのではないでしょうか。
今回のコラムではそんなアイデア欠乏の際に使えるフレームワークを3つご紹介します。
アイデアに困ったとき、新しい発想が欲しいときなどに是非活用してみてください!
フレームワーク1:オズボーンのチェックリスト
まずご紹介するのは、「オズボーンのチェックリスト」というフレームワークです。
アイデア出しの対象やテーマを決め、9つのチェックリストの項目それぞれに対しアイデアを出していくという「チェックリスト法」とも呼ばれる方法です。オズボーンのチェックリストは全く新しいものを作り出すことが目的ではなく、既存のモノを改善したり、改良したり、発展させることが目的とされています。
9つのチェックリスト
- 転用:同じものを他の用途で使えないか。また、改変・改良することで別の製品が作れないか。
(例)富士フイルムの写真ファイルの技術を化粧品の技術に転用
- 応用:他に似たようなモノはないか。他社、他業界のアイデアを借りられないか。
(例)雑誌の定期購読を応用した音楽配信サブスクリプション
- 変更:色や形、音、匂いなど、変えられる部分はないか。
(例)白色の綿棒を黒色に変更したことでヒット
- 拡大:大きさや時間、高さ、強度などを拡大することはできないか。
(例)テーマパークの入場券を年間パスポートにして来場者数を増やす
- 縮小:より小さく、短く、軽くすることはできないか。
(例)一人焼肉や一人カラオケなど、人数の規模を縮小
- 代用:他の材料や過程、場所、成分など商品サービスを別のもので代用し、新しい需要が生まれないか。
(例)肉を豆腐に代用して作られた豆腐ハンバーグ
- 置換:要素や配置、順番を入れ替えることはできないか。
(例)外食を家で食べる宅配サービスで飲食する場所を入れ替える
- 逆転:上下、左右、時間、順番などを反対にできないか。
(例)昼夜に行く動物園を夜公開にしたナイトサファリ
- 統合:違う要素のものを組み合わせられないか。
(例)猫×カフェ=猫カフェ インターネット×漫画喫茶=ネットカフェ
メリット・デメリット
メリット
- 項目に沿うことで可能性や視野が広がる
- 検討事項の漏れを防ぐことが出来る
- 過去の経験も踏まえて検討することで内容が充実する
デメリット
- 項目ばかりを注視して他の可能性を見落とす可能性がある
- 事案の性質を理解していないと、不必要な項目までチェックし時間がかかる
- 自分がチェックしやすい項目ばかり注力し、視野が狭くなったり発想の機会を損なってしまったりする
フレームワーク2:マンダラート
次にご紹介するのは、「マンダラート」と呼ばれるフレームワークです。
「目標達成シート」とも呼ばれ、野球選手の大谷翔平選手が使用したことでも有名です。
マンダラートはある事項に対して関連語句を書き入れ、関連語句からさらに派生語句を書き入れるマス目状のフレームワークです。思考やアイデアを可視化することができ、アイデアが詰まったときに派生されるものを引き出すことが出来るため、アイデア発想の鉄板フレームワークでもあります。
マス目に書き入れる
3×3のマス目を用意し、真ん中にメインテーマを書き入れます。
周りのマスに、メインテーマに関連する語句を書き入れます
関連語句を小テーマとして新たに9つのマスを作り、また小テーマを基に派生語句を書き入れます
このようにして、最終的に9×9のマスを語句で埋めましょう。もちろんこれ以上マスを広げても構いません。
では、大谷選手が実際に書いた例に基づき、マンダラートを書いてみましょう。
このように81個のワードが発生します。この中で同じワードや似たようなワードが出てきたら、そのワードが重要な要素であることが分かります。
81通りの情報を可視化し、目標を達成させるには何が必要かをピックアップしましょう。
また、派生されたワードにより新たな閃きを得られることもあります。9×9だけでなく、もっとおおきなマンダラートを作成してみまししょう。
- 必ずマスを埋める
最低9×9の81マスは作り、すべてのマスを埋めましょう。
なかなかワードが出てこない場合は、必要な情報を調べたり、他のマスを先に埋めたりしてみることで、なにか新しいアイデアが生まれるかもしれません。
しかし、それでもワードが出てこない時があります。その時は設定した小テーマがアイデアとしての深堀りする価値が低いと判断して、小テーマを変えてみましょう。
フレームワーク3:なぜなぜ分析
問題解決のフレームワークである「なぜなぜ分析」とは、その名の通り、「なぜ?」を繰り返し行なうことで問題解決の根本を探る方法で、問題の再発防止のためにトヨタ自動車で生み出されました。
なぜ?×5
なぜなぜ分析を始める際、まず気を付けることは課題を具体的に定義することです。
「いつ・どこで・なにを・どのように」と課題を具体的に定義することで、その後の分析がしやすくなります。
トヨタ生産方式では、「なぜ?」を5回繰り返すことで原因分析ができるとされています。課題に対して、「なぜそうなったのか」「なぜこの結果になったのか」を追求していきましょう。
また、課題の原因がひとつとは限りません。分析していく中で新たな課題や問題点が見つかる場合もあるため、一つずつ要因を追求していきましょう。
真因を導くコツ
ただ5回「なぜ?」を考えても真因にたどり着ける訳ではありません。きちんとコツを掴んで、なぜ起こったのか、原因を突き止めましょう。
- 課題を具体的に定義する
冒頭にも記述したように、課題を明確に定義することがなぜなぜ分析で最も重要と言えます。課題が曖昧のまま進めるとその後の分析も曖昧になるため、気を付けましょう。
例えば、「チームの雰囲気が悪い」という課題ではなく、「直近1年間のチーム内退職率が全社平均より〇%高い」のように具体的な数字や、課題であると思ったきっかけ、事項などを課題にしてみましょう。そうすることでその後の深堀で「会議の時間にメンバーが揃わない」「報告が遅れることがある」「必要事項が共有されていない」など、真因に近づくことが出来ます。
- 事実に基づいて分析する
分析において、個人的な感情や思い込みは入っていませんか?
例えば、「〇〇さんは忘れっぽいからいつも提出書類が遅れている」という分析は悪い例です。これは「忘れっぽい」という個人的な感情にすぎません。状況を客観的に判断し、「仕事量が偏っていないか」「任せっきりではないか」「マニュアルが整備されていないのではないか」のように分析を進めましょう。
特定の個人のミスにしても、組織は成長しません。例え個人のミスが原因であったとしても、組織として改善するべき点を見つけ再発防止に努めましょう。
- 複数の要素をまとめない
課題を具体的に定義したとしても、原因が1つとは限りません。
例えば、「大切な書類をなくしてしまった」という課題に対し、「書類が多すぎてどれが大切か分からない」「予備を用意していない」「途中の確認を怠った」などの原因が考えられます。その場合は、複数の要因を求めるのではなく、分けて考えるようにしましょう。最終的に同じ原因に辿りついても、違う原因に辿りついても問題はありません。ひとつひとつの要因に向き合い、考えることが重要です。
まとめ
いかがでしたか?
今回のコラムでは、「アイデア発想フレームワーク」を3つご紹介しました。
アイデアは、すぐに思いつくものではありません。しかし、このようなフレームワークを使い、課題解決のための商品、サービスを提供したり、世の中に出ているモノを応用してみたりと様々な角度から考えることが出来ます。
もしアイデア発想に困った際は、是非活用してみてください!