”ものづくり補助金”を分かりやすく解説!

皆さんは、「ものづくり補助金」という補助金をご存じでしょうか。

ものづくり補助金は中小企業・小規模事業者を応援する補助金制度です。

具体的にどんな補助金なのか、対象者や、活用方法、申請までの流れなどを解説していきます。

ものづくり補助金って何?

「ものづくり補助金」とは一体何のことなのでしょうか。

中小企業等による生産性向上に資する革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行うための設備投資を支援する補助金です。

ものづくり補助金とは | 経済産業省 中小企業庁 (mirasapo-plus.go.jp)

ものづくり補助金の正式名称は「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」と言い、中小企業庁・独立行政法人中小企業基盤整備機構が制度化した補助金です。

”ものづくり”と称していますが、実際はものづくりだけではなく生産性が向上の目的であれば製造業はもちろん、不動産業やサービス業など、どんな業種でも条件を満たせば利用することができます。

3つの部門

ものづくり補助金には、3つの部門に分けられています。それぞれの部門により、公募要領や、様式が異なるため注意して申請しましょう。

  1. 一般型
  2. グローバル展開型
  3. ビジネスモデル構築型

1:一般型

中小企業・小規模事業者等が取り組む革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行うための設備投資等を支援するものであり、その際に必要な設備費等を1/2もしくは2/3補助するものです。一般型には令和3年度の改定案によると、従来からある、通常枠に加えて新たに3つの新枠が創設される予定です。

  • 回復型賃上げ・雇用拡大枠:業況が厳しいながらも賃上げ・雇用拡大に取り組む事業者
  • デジタル枠:DX等に取り組む事業者
  • グリーン枠:温室効果ガスの排出削減等に取り組む事業者を支援

2:グローバル展開型

海外事業(海外拠点での活動を含む)の拡大・強化等を目的とした設備投資等を支援するものであり、補助額は一般型と同じく、1/2もしくは、2/3を補助するものです。一般型よりも事業実施期間は長く、補助金の上限額が3,000万円で海外旅費も補助対象に入ります。

海外展開の手法により、海外直接投資型海外市場開拓型インバウンド市場開拓型海外事業者との共同事業型の4類型で対応し、事業の特性から最も適した類型を選択することが可能です。

参考:reiwakoubo_20220513.pdf (monodukuri-hojo.jp)

3:ビジネスモデル構築型

民間サービスとして、継続的に中小企業のビジネスモデル構築・事業計画策定を支援する、拡張
可能な先駆的プログラムの立ち上げを後押しするものであり、事業実行プロセスの補助である一般型、グローバル展開型とは違い、事業創造プロセスを補助するものです。直接中小企業を支援するのではなく、中小企業を支援する団体、プロジェクトを支援する制度であるため、企業個人で応募することはできません。

「革新性」「拡張性」「持続性」を有するビジネスモデルを構築し、30社以上の中小企業を支援すること、補助事業終了後1年で、支援先企業の80%以上が事業計画を実行できるプログラム内容であることが条件です。一般型、グローバル展開型が中小企業個社に対する「点」の支援であるのに対し、ビジネスモデル型は複数の中小企業を束ねて支援する「面」の支援であると言えます。

補助率は一般型と同じく設備費等の1/2もしくは2/3であり、受給上限は1億円と高額になります。

参考:reiwakoubo_biz_20220330.pdf (monodukuri-hojo.jp)

申請の流れを把握しよう

どのように申請をするのか、一連の流れを確認しましょう。

①公募要項の確認  

 まずは、公募要項を確認します。条件が当てはまっているか、どの型に申請するのかをもう一度しっかり確認しましょう。特に新型コロナウイルスのによる社会情勢の変化に伴い、様々な申請類型が創設されているため、自社の事業内容と合致するものを選ぶようにしましょう。

②事業計画書の作成 

 ものづくり補助金を申請するには、認定支援機関のサポートを受けて事業計画書を作成する必要があります。計画書のポイントは中小企業庁が提示しているため、ものづくり補助金の書き方を参考に作成を行いましょう。

ものづくり補助金公式ホームページが発表している事業計画書の作成時間のデータでは、120時間以内に作成した企業の採択率が一番高い結果です。締め切り当日ギリギリに作成するのではなく、できるだけ時間にゆとりをもって作成することをお勧めします。

https://portal.monodukuri-hojo.jp/dataportal.html

※出典:ものづくり補助金公式ホームページ https://portal.monodukuri-hojo.jp/dataportal.html

③電子申請システムで申請をする

 ものづくり補助金の応募申請は、インターネットを利用した「電子申請」です。電子申請システムを利用するためには、事前にGビズIDプライムアカウント必要です。GビズIDプライムアカウントを持っていない場合は登録をするようにしましょう。(GビズID取得方法:GビズID | Home (gbiz-id.go.jp)) 応募期間は約2か月、審査機関は約1か月です。(令和4年度)

申請の流れは以上です。申請後、採択の結果通知が届き、採択であれば交付申請を行い、交付が始まります。少々難しい手順もあるため、申請をサポートしてくれる業者を雇うのもいいかもしれません。

ものづくり補助金の活用方法

ここまでものづくり補助金とは何か、申請はどうするのかを解説してきましたが、一体どのように活用すればよいのでしょうか

ものづくり補助事業公式ホームページに掲載されている成果事例をいくつかご紹介します。

ケース1:食品製造業

企業名    深川油脂工業株式会社
・事業計画名  搾油から瓶詰までの一貫体制による道産原料100%こめ油の製造
・実施内容   搾油から瓶詰まで、100%北海道産のこめ油を製造するための原料糠        用のタンクと食用油の瓶詰機械を導入
・事業成果   搾油から瓶詰までの一貫体制は計画通り進み、北海道産原料100%のこめ油を製造することに成功した

成果事例検索|ものづくり補助事業公式ホームページ ものづくり補助金総合サイト (monodukuri-hojo.jp)

ケース2:理髪業

・企業名    ハッピーバーバーマツノ

・事業計画名  炭酸システム導入による革新的理容サービスの事業化

・実施内容   老朽化店舗の建て替えを機に店舗をリニューアル。「元気パワー充電所」のコンセプトをもとに炭酸システム設備を導入

・事業成果   リニューアル以来多くの顧客に満足してもらい、店主自身も、ものづくり補助金の事業計画作成をきっかけに長期事業計画を考えるに至った。

成果事例検索|ものづくり補助事業公式ホームページ ものづくり補助金総合サイト (monodukuri-hojo.jp)

ケース3:農業

企業名    有限会社風配高原ファーム

事業計画名  親子共同の牧場体験を通して「命の大切さ」を学ぶ酪農教育フル体験サービスの提供

実施内容   新サービス「酪農教育フル体験サービス」を実施することを目的とし、牛乳の試飲、牛乳を使った料理実習を行うためには衛生的かつ安全な牛乳が必要なため低温殺菌機パステライザーの導入。工房横にキャンプスペースの確保を行った。

事業成果   低温殺菌機パステライザーにより、熱を加えすぎて牛乳本来の品質を損なう問題や衛生問題が解決し、牛乳本来の品質を保った状態の牛乳が製造可能になった。牛の世話・乳搾り、牛乳を使った料理実習まで全ての牧場体験が受けられるプログラムの実現に成功した。

成果事例検索|ものづくり補助事業公式ホームページ ものづくり補助金総合サイト (monodukuri-hojo.jp)

以上3件をご紹介しましたが、この他にも多くの成果事例が報告されています。申請者の業種グラフを確認すると、現状では製造業の申請が多いものの、幅広い業種が申請を行い、採択されていることが分かります。

https://portal.monodukuri-hojo.jp/dataportal.html

※出展:ものづくり補助金公式ホームページ https://portal.monodukuri-hojo.jp/dataportal.html

まとめ

①ものづくり補助金とは中小企業を対象にした生産性を向上させるための補助金

②いくつかの部門や枠が設けられ、どこに申請するかによって要項や補助額が変わる

③申請するには事業計画書や特定のサイトのアカウントが必要になるため余裕をもって準備をする

④活用方法は様々であり、どんな業種でも利用をすることができる

「ものづくり補助金」について詳しく解説をしてきました。

自社が申請条件を満たしているか不安な方や、内容が複雑であるが故に分からない所がある方などは、ぜひ気軽に弊社にご相談ください!

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