どうする?!コスト削減!
事業を経営していく上で、利益は最も重要だと考えられます。
利益を上げるためには、売り上げを上げるだけではなく、コスト(経費)を削減することが必須です。
そこで今回は利益率を向上させるための施策のひとつとして「コスト削減」についてご紹介します。
コストを正しく削減し、利益率向上を目指しましょう。
目次
コスト削減の目的
コスト削減を重要視している理由は、「コスト削減によって企業の利益が増え、企業の存続に直結するから」です。
企業の売上-コスト=企業の利益
という方程式が成り立つため、簡単に考えると利益を向上させるためには売り上げを増やすか、コストを削減するかの2択です。
コストを削減することで、利益に影響を与えるだけでなく、業務の効率化を図ることが出来たり、増えた利益の使い方によれば従業員のモチベーションの向上が期待出来たりします。
”コスト削減”と聞くと難しく考えてしまうけど、自分の生活に置き換えて考えるといいかもしれません。
自分の貯金を増やすために支出を減らそうって考えると分かりやすいね!
注意点
コスト削減といっても、ただ支出を減らせば良いといいうわけではありません。
注意するべき点を3点ご紹介します。
1.必要なコストまで削減しない
コストを削減することで業務効率に繋がると記述しましたが、必要なコストまで削減してしまうと逆に業務に悪影響を与えてしまうかもしれません。
特に従業員の負担になるような過度なコスト削減は控えましょう。
コスト削減は会社全体が一丸となって取り組むものです。そのため、どこかの部署が負担を強いてしまうような削減や、従業員の心身に影響が出るような削減の仕方は望ましくありません。
効果ばかりに執着せず、会社全体で取り組む意識を心がけましょう。
2.コスト削減を目的化しない
コスト削減を目的化するのではなく、本来の目的を明確にして取り組みましょう。
利益率の向上や業務効率化、その先の従業員への還元や将来の自社への投資など、「何のためにコスト削減に取り組むのか」を明確にする必要があります。
コスト削減を目的にしてしまうと、効果に執着してしまい従業員への影響や業務への悪影響が出てきてしまいます。
何のためにコスト削減に取り組むのか、明確な目標を持って取り組むことで意識が集中し成功しやすくなります。
3.コスト削減が正義ではない
今回のコラムでは、どのようにコストを削減するかに焦点を当ててご紹介しますが、コスト削減ばかりに目を向けないように気を付けましょう。
利益は会社の売上からコストを引いたものです。そのため、コストを削減しても十分な利益が得られない場合は売り上げを増やすことも考えることが必要です。
売上とコストの両方のバランスを見て、自社が何を行うべきかを考えて取り組むようにしましょう。
コストの種類
一般的に企業ではどのようなコストがかかっているのでしょうか。
主な支出の種類について整理し、自社における”減らせるコスト”と”減らせないコスト”を仕分けてみましょう。
コストには主に「固定費」と「変動費」があります。
ここからは固定費と変動費に分けて簡単に紹介するので、自社コストと照らし合わせて整理してみてください。
固定費の内訳
固定費は企業の売上などに影響されず、一定の額を支払います。
一般家庭なら、家賃などが固定費に含まれます!
固定費の具体的な例を確認しましょう。
- 賃料:オフィスの賃貸料など
- 水道光熱費:水道代、電気代、ガス代など
- 通信費:インターネットの料金など
- 福利厚生費:従業員に支払う手当
- 人件費:従業員に支払う固定された給料(固定残業代を含む)
- 警備費:会社の常駐警備員への支払い、警備設備費
- 車両費:社用車の減価償却費、リース料
- 保険代:加入している保険への支払い etc...
固定費には、企業運営において必要不可欠なものが多いです。そのため、固定費からコストを削ることは難しいかもしれませんが、毎月の支払いを少しでも削減に成功すれば、大きな成果が期待できます。
変動費の内訳
変動費は、企業の売上や季節、市場経済に影響を受け、変動する費用です。
一般家庭なら、食費が変動費に含まれます!
変動費の具体的な例を確認しましょう。
- 原材料費:扱っている製品の原材料、部品費など
- 消耗品費:事務用品などの消耗品
- 在庫管理費:在庫を管理するための物流費や設備費など
- 採用・教育費:採用活動をするための広告料やイベント参加料、研修費など
- 残業代:人件費とは別に残業した給料
- 交通費:出社時の交通費や出張時の交通費
- ビルメンテナンス費:消火設備点検やエレベーター保守などのビル(オフィス)メンテナンス費用
- 広告費:テレビ広告やWeb広告などの広告出稿費、運用費 etc...
変動費は、固定費と比べて規模が小さいものが多いため、コスト削減を始めるための意識づくりとしても変動費から取り掛かる方が浸透しやすいと考えます。
しかし、重要なのは前述した”必要なコストは削らないこと”です。
何が必要で何が削れるのかを慎重に検討して取り組みましょう。
コスト削減に取り組んでみよう!
では、実際どのようにしてコスト削減に取り組めば良いのでしょうか。
コスト削減のフローとして4ステップご紹介します。
Step1:現状の支出の洗い出し
まずは、現時点でかかっているコストを把握しましょう。
日々の業務プロセスで発生するコストだけでなく、会社が経営していく上で発生しているコストもすべて洗い出し、整理することで削減できるコストを見つけます。
「何を」 「どこから(購入先)」 「いくらで(単価)」 「どれだけ(量)」 「どのように(購入条件など)」の5点を意識して整理することがポイントです。
すべてのコストを洗い出し、リストアップすることで現状を可視化でき、どのコスト削減できるか見分けることが出来ます。
Step2:得られる効果を考える
支出を洗い出し、何を削減するかを考えた後は、結果としてどのような効果を得ることが出来るのかを考えます。
大切なのは、効果の大きさを確約させることです。
コスト削減に取り組むと、取り組むための費用が掛かることもあります。今よりも小さなオフィスに引っ越そうとするなら引っ越し代がかかりますし、原材料を変えるなら代替品を探す必要があります。これらのコストと、削減した後の効果を比べたときに、効果がコストを上回るのならば、取り組みに値すると考えましょう。
また、コストを削減することでデメリットが生じる場合も多いです。
広告費を削減すればその分認知度の低下が考えられます。採用費を削減すれば優良な人材を逃す可能性や、人材を得られず人手不足に陥る可能性もあります。このように、コストを削減することで考えられるデメリットを洗い出し、本当に削減するべきコストなのかをもう一度考えましょう。
Step3:目標やプランの設定
削減するコストが決まれば、目標やプランを設定しましょう。
どの項目を、いつまでに、どのくらい削減しどのくらいの効果を期待するのか、目標を明確に決めましょう。
この時に重要なのは、できるだけ明確かつ現実的であることです。
ゴールを曖昧にしてしまうと、何を目的としていたかが段々不明瞭になり、必要なコストまで無駄に削減してしまうかもしれません。また、コスト削減は従業員全員で力を合わせて行うため、明確なプランがなければ従業員からの協力を得られないことに繋がるかもしれません。
そうした事態を防ぐためにも、目標やプランをできるだけ明確に、現実的に考えて設定することが求められます。
Step4:プランの実行・改善
プランを実行した後は、結果を目標と照らし合わせて改善に努めます。
当初の目標に対して、達成できたかどうか、効果が得られなかったものはなにかを考えます。
原因を分析し、より効果的に効果を得られるポイントを見つけることが出来れば、そこに焦点を当ててコスト削減に取り組んでいきましょう。
コストは企業の大事な役割を担っているため、一度行っただけで効果を感じられないこともあります。何度も試行錯誤を繰り返して、自社なりのコスト削減に向けて取り組みましょう。
成功事例
コスト削減に誰もが使える万能な解答はありません。
そこで、中小企業庁が発表しているコスト削減に成功した企業の事例を紹介します。何をどうすれば良いのか分からない人は、是非参考にしてください。
専用デスクを撤廃して削減成功?!
三重県の工務店では、社員全員の専用デスクを撤廃して、フリーアドレス制を導入しました。
フリーアドレスとは、専用のデスクではなく、開いているデスクを使って仕事をする制度のことです。
この制度を導入したことで社員や部署間でのコミュニケーションが活発になり、業務が効率化が進み、残業時間が15%削減することが出来ました。
この事例では、専用デスクを撤廃して個人の作業効率が下がるリスクがあったけど、逆にコミュニケーションが活発になることでチームとして成長することが出来たのがGOODポイントだね!!
参考資料:社内のコミュニケーション活性化により、業務が効率化が進み、残業時間が減少。- 事例を探す(事例ナビ)|経済産業省 中小企業庁 ミラサポPlus (mirasapo-plus.go.jp)
収益とコストの”見える化”
和歌山県の印刷会社では、毎月の販売実績だけでなく、変動費、固定費、固定費率の推移を生産品目と関連付けて従業員に発表するという、個人の意識づくりによって成功しています。
コスト削減は従業員全員の協力を得られなければ、成功には繋がりません。
数字で収益とコストを可視化することで、コスト削減の努力が収益に直結することを実感できます。その結果、従業員が積極的にコスト削減に取り組むようになるなど、成果を得られています。
会社全体で大きな削減に取り組まなくても、従業員1人1人の意識によってコストを削減できることが分かるね!
参考資料:生産品目別のコストを従業員と共有し、利益率が確保できる新製品の開発に成功した企業- 事例を探す(事例ナビ)|経済産業省 中小企業庁 ミラサポPlus (mirasapo-plus.go.jp)
まとめ
いかがでしたか?
今回のコラムでは、”コスト削減”についてご紹介しました。
利益を上げるには、売り上げを上げるか、コストを下げるかが求められます。
しかし、闇雲にコスト削減に取り組むのではなく、従業員からの協力やデメリットの把握をする必要があるため、慎重に継続的に行うことで、効果が期待できるのではないでしょうか。
利益を上げるには、そもそもの売上を上げる方法もあります。
「売り上げを上げたい!」と考えている方は、是非一度当社にご連絡ください!!